JSlash'EMのメモ Slash'EMがどんなゲームか

 目次NetHackと*bandの違い

一応、この↓記事からの続きです。
 NetHackと*bandの違い

 さて、やっとSlash'EMがどんなゲームなのか、という話題に入れます。前回の記事を読んで頂いた方には、Slash'EMの元になっているNetHackにどんな特徴があるのか、というのがものすごく良く分かったと思います!思います!

 簡単に説明すると、Slash'EMとはNetHackに様々な追加要素を加えた、「ヴァリアント」というやつです。ゲームの根幹となるシステムやゲーム全体の流れは同じで、アイテムや敵等が追加されたり、追加エリア(逆に無くなったエリアもありますが)があったり、魔法のシステムが少し変わっていたりなどします。ここによれば、NetHack3.3.1をベースにしてSlashWizard Patchを合わせたもの、とのことですが、自分はその辺は詳しくないので良く分かりません。
 本家のNetHack自体は2018/5/31現在、3.6.1までヴァージョンが更新されていて、そちらは”Elbereth"が弱体化したりして若干難易度が上がっている(と思う)とか、細かい操作や仕様が変更されているのもあり、単純にSlash'EMがNetHackの追加要素増し増し版、とは言えなくなりました。

 大雑把にいうと、NetHackよりSlash'EMの方が最序盤が大変厳しく、序盤~中盤にかけて丁寧にプレイすれば後半はかなり安定するといいうか、うっかりミスが無ければほぼ昇天確定、というバランスになっています。また、飽きにくいというか、プレイがダレないような工夫がなされています。
 
 少し細かく、変更、追加点を箇条書きで挙げて行きます。
・5つの新職業(炎の魔術師氷の魔術師死人使いアンデッドスレイヤー衛士
  *これに伴い既存の職業のバランス調整(スキル上限の変更など)
・4つの新種族(ドッペルゲンガードロウホビット獣人吸血鬼
  *これに伴いエルフが混沌から秩序・中立の種族になった
・23の追加エリア(こちら参照)
  *Rogueレベルの廃止、倉庫番や鉱山街などの固定パターンに追加あり
・200近い追加モンスター(いつ書ける事やら)
・37の追加アーティファクトこことここ
  *これに伴い既存のアーティファクトのバランス調整
・90以上の追加通常アイテム(武器防具、消耗品、魔法書などなど)

・武器種、スキルに銃器カテゴリを追加
魔法システムの変更、魔法の追加
アーティファクト二刀流が可能に
・”テクニック”と呼ばれるパッシブスキルの追加
・ペットショップ(人形や笛、紐などを販売)追加
・冷凍食品店?(大量の死体入りアイスボックスが並ぶ店舗)追加
・店主から特殊サービスを受ける事が出来る(識別、解呪、防腐、防腐加工や強化など)
・アイテムの”アップグレード”システム
・宝石と酸を使用した”錬金術”システム
・被ダメージの計算方法が変化?(敵の攻撃が強くなりACの重要性が増した)
・武器の強化値が低いと全くダメージを与えられない怪物がいる
・通常の鍵類が破損するようになった
・死体にコケ類が発生し易い
・敵専用魔法の追加”水溜りの魔法”
・”変化”したアイテムや怪物(ペット含む)が時間経過で元に戻る(能力回復の薬で固定化)
・神が”使徒”を派遣してくる場合がある(#offer時、秩序で低HP時に祈った時)
・特殊な階層の生成(隔壁の代わりに鉄格子、水、溶岩、氷、雲で構成された階層)
・イェンダーの魔除けを所持している際に階段を登っても、戻されなくなった

 …簡単に書けるのはこれくらいでしょうか。他にもありそうですが、今ちょっと思いつきません。
 上記の他にも全体的な迷宮の構成の変化があります。NetHackではある程度のアイテムの出現や、経験値となる怪物の出現量を「保障」する為、同じような展開のエリアがかなり長く続くという問題がありました。とくに”死の谷”以降の”ゲヘナ”エリアはそれが顕著で、ここで飽きて投げだした、という声も聞きます。これは「地獄」の深さを表現するという演出的な意味もあるのでしょうが、何度もプレイすることが前提のこのゲームでは「あそこが無ければなぁ…」と思ってしまっていたのもまた事実。
 Slash'EMではこの点に工夫が凝らされ、”運命の大迷宮”には多数の追加エリアが分岐先として配置されて若干長くなり、その分”ゲヘナ”はかなり短くなりました。また、短くなったゲヘナの中に大悪魔のフロアが固定で追加されたので、短いながらもかなり「濃く」なったと言えます。全体としてみればNetHackより階層自体は深くなるのですが、あまりそれを感じさせない作りになっています。
 
 ”運命の大迷宮”に追加された特殊エリアには、特定の強力なアイテムが入手しやすくなっていたり、中には最終装備候補が固定で配置されたフロアもあります。それぞれクセのある怪物が配置されていたり、やや特殊な構造になっていますので、きちんと準備してクリアしていく事で、クリアに必要なアイテムや強さが次第に揃っていくようになっています。それらが無いと、ゲヘナ攻略が難しい、という訳です。

 ゲーム全体の難易度でいえば、前述したように最序盤が厳しく、中盤から楽になります。これは、敵から受けるダメージの振れ幅がかなり大きくなっていて、一手の間違いで瞬殺される場合がある事が大きいです。これは基本的にACを下げたり、”Elbereth”を使いまくるなどの対応になります。敵が落す防具の吟味を念入りに行って、少しでも防御力を高める事が求められます。また、店舗を積極的に利用して金貨を集め、序盤から複数回、僧侶に献金すると楽です。
 さらに、一部の敵のモンスターレベルが変更されて、少しレベルを上げただけで急に強い敵が出現しだという変化があります。特に”ドラゴンの子供”は非戦士系にとって脅威で、レベル5あたりで街や市場をうろうろしている辺りが急に厳しくなりがちです。これにも先ほどのAC低下や”Elbereth”等の戦術が必須ですが、さらに”テクニック”の駆使が重要です。姿を消して相手を撒く、一時的に攻撃力を上げて一気に敵を倒すなど、とにかく、選択できる戦術を全て駆使して、最後まであきらめない事が最序盤を生き抜くカギ…とか言わないといけない程、特に戦士系以外は序盤が厳しくなっています。しかし、それだけにピンチを切り抜けて一息つけた時の達成感は物凄いです。

 昨今のゲームと比較してバランスが良いとはお世辞にも言えませんが、厳しい序盤を抜けさえすればNetHackより安定しますし、造るキャラクターによる戦術の違い、毎回プレイするたびに変わる展開、常に「次の戦略」を考えなければいけない緊張感は、ちょっと他のゲームには無いものだと思います。未プレイの方、以前諦めた方は是非プレイしてもらいたいと思います。